歯とのつきあいは、最初の乳歯が生えてくる生後6〜7カ月ごろから始まります。2歳半ごろには乳歯が生えそろい、3歳を過ぎると、比較的硬いものでもよく噛めば食べられるようになります。その後、4歳ごろまでに乳歯列(乳歯の歯並び)が完成します。乳歯列は、6歳ごろから生え替わる永久歯の歯並びに大きく影響します。理想は、歯と歯の間に少しずつ隙間がある状態です。

 ところが、最近の子どもたちはあごの骨が小さく、隙間のない乳歯列が多く見られます。乳歯の抜けたところに、永久歯は生えてくるのですが、最近の子どもたちは永久歯のサイズが以前より大きくなっていると言われおり、隙間のない状態では、永久歯の収まるスペースが足りません。すると、狭いところに押し込められ、デコボコとした歯並びになってしまいます。整った歯並びを手に入れるには、幼児期から、正しく噛む習慣が大切です。よく噛めば、歯並びの土台となるあごの骨が丈夫に、大きく育ちます。 

 また、正しく噛むために大切なのは、正しい姿勢です。たとえば、椅子に座って、足をブラブラさせて食事をすると、力が入らず、噛む力が約15%弱まります。弱まった分だけ、あごの骨の成長が妨げられてしまいます。その場合は足の下に台を置いて足をつけて座るとよいでしょう。このように、幼児期から体力をつけ正しい姿勢でしっかり噛むことで、より理想的な歯並びと噛み合わせに近づく事ができます。

 理想的な歯並び、噛み合わせになると、虫歯や歯周病のリスクが減り、何歳になっても自分の歯で美味しく食事ができ、健康的な食生活が送れるのです。

  若松歯科医師会広報委員会